水素水にはカリウムがたくさん含まれているって本当?水素水とカリウムの関連について解説
体に良い影響を与えるとして、水素水を日常生活の中で意識して飲む方が多くいます。水素水が体に与える影響としては、抗酸化作用が一番大きいです。同時に、水素水にはカリウムを含むミネラルが多く入っていることに注目する方もいます。
そこで本記事では、本当に水素水にはカリウムが多く含まれているのか、カリウムは健康にどのような影響を与えるのかを解説していきます。
水素水にはカリウムが多く含まれることがある
水素水にカリウムが多く含まれているという説は、正しい場合もありますし、誤りの場合もあります。というのも、水素自体が水中のカリウムを増やす働きを持っているわけではないため、単に水素が入っているからカリウムが多くなるということは考えられないからです。一方で、水素を生成する装置によって、生成プロセスによって副次的にカリウムが多くなることはあり得ます。
具体的には、電極を使って水を電気分解して水素を発生させる場合が考えられます。水素が発生する陰極のほうでは、プラスイオンとなるミネラルが化学反応によって増加する特性を持っています。そのため、カリウムだけでなく、マグネシウムイオンやナトリウムイオンなども増加することになります。こうしたことから、電解水素水と呼ばれるタイプの水素水では、通常の水道水よりもカリウムが増加する傾向があります。
ただし、非常に多くのカリウムが含まれるというわけではありません。また、水素水生成器の作りによっても、どのくらいのカリウム増加が見られるかはかなり異なるという点にも注意しましょう。メーカーによっては、元の水道水と生成した水素水を比較として、どのくらいのカリウム量の差が出るかを記載していますので、その値をチェックすると良いでしょう。
また、多くの水素水生成器は高性能のフィルターを使っています。フィルターの種類によっては、カルキと共にミネラルも除去することがあります。そうなると、生成する過程でカリウムが増加するとしても、トータルで見ると水道水と変わらない結果になることも考えられます。
ボトルに入って市販されている水素水の場合は、水素ガス充填方式というやり方で作られていることが多いです。この方式は、非常に高濃度の水素ガスを水に圧力をかけて溶け込ませるという仕組みとなっています。水に電極を入れて電気分解するという方法ではありませんので、カリウムが増加することは科学的に見て起こらないのです。水素ガス充填方式では、一般的に水素濃度が高くなるというメリットはありますが、カリウム含有という意味では、生成器で作ったものよりは低くなる側面も持っていることを覚えておきましょう。
カリウムを摂取する重要性と注意点
カリウムは人体の働きを調節し、健康を保つのに欠かせない成分です。細胞における浸透圧を調節してくれるという大事な働きと共に、心臓を含む筋肉の動きを保つ、酵素の反応に関わる、神経伝達に関係するといった機能があります。また、腎臓への作用によって、血圧を下げる副次的な効果もあるとされています。基本的な体の機能を保ち、生き生きと過ごすためにカリウムは欠かせないものなのです。カリウムが不足すると、筋肉の低下や麻痺などが生じることがありますし、疲れやすさや脱力感を覚えることもあります。
非常に重要な成分であるカリウムは、成人男性の場合1日2,500mg以上摂取することが目安とされています。ただし、健康をより良い状態に保つためには、それ以上摂取したほうが良いとして、多めに摂取することが勧められています。カリウムはある程度多く摂取しても腎臓によって排せつされるため、常に血中濃度が3.6から5.0mEq/Lにキープされています。足りなくなるよりは、水素水を積極的に飲んで多めにカリウムを摂取するよう心がけることは理に適っているのです。
一方で、カリウム摂取には注意点もあります。上記のように、健康な方であれば腎臓の機能によって濃度が適正にコントロールされるのですが、腎臓に問題がある方は調節がうまくできない点です。そのため、腎機能障害と診断されるなど、医師からミネラルの摂取に関して注意を受けている場合は気を付けるべきです。実際に、水素水生成器を販売しているメーカーでも、「生成した水素水にカリウムが多く含まれるため、腎臓に障害がある方は医師に相談してから使用するかを決めてください」と勧めていることがあります。
まとめ
水素を電気分解によって発生させた水素水には、通常の水よりもカリウムが多く含まれていることがあります。カリウムは体の働きを調節するために必要な物質ですので、水素水の飲用も含めて積極的に摂取したいところです。腎臓に障害がある方については、医師に相談してから飲用を判断しましょう。